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病院――そこはいつも通り、機械のビープ音と静かな会話が響く、秩序ある世界のはずだった。 だが、その夜だけは違った。

🐾正体なき“導き”を追って

突然の突進で、ピーターはバランスを崩し地面に倒れ込んだ。
土の感触も忘れるほどの衝撃――息をのみ、彼はハナを見上げる。
「いったい…何を追ってるんだ?」
恐怖と混乱の色が、その目に浮かんでいた。

🌲「わからない」けど、進むしかない

ハナの胸は激しく波打ち、しばらく言葉が出なかった。
「私にも、わからないの」
かすれた声で、そう答えるのが精一杯だった。
でも――止まれなかった。
クマの背中を信じて、ふたりは再び歩き出す。
森はますます深く、暗く。
答えのない“導き”が、静かに彼らを誘っていた。

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